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なんのための、だれのための学力テスト…?
 
柳生 眞澄(和歌山市立貴志南小学校教諭)
 
 
☆その日子どもたちは…。
 学力テストが行われた。文部科学省は何を知りたかったのだろうか…? この問題は誰が作ったのだろうか…? 私は、テストを受けている子どもたちの様子を見ながら、いろいろな疑問と、そして、激しい怒りに襲われた。
 1時間目の国語・算数Aのテストは、日頃受けているテストよりはるかに問題量が多かった。そして、名前の書き方(カタカナの書き方など子どもたちにとっては、初めての書き方であった)などを説明する時間設定が、ものすごく短かったため、テスト時間をずらさなければならなくなった。こんなことに時間がかかるなど、全く考えもしない、そして、考えようともしない、子どもの実態を知らない大人が、作ったテストだということがこのことからもわかる。しかし、テストが終わったときには、このテストがまだマシに思えたのだから驚かされる。
 2限目の国語Bは読解中心で、問題文を読むだけでもうあきらめる子がでた。あまりにもできないので、怒りだす子もいる。記号・数字で答える2問以外全く書けない子もいた。こんなテストをして、基礎学力などわかるのだろうか…? できる子にもできない子にも、非常につらいテストだった。
 3時間目の算数Bも読解が重視されていた。ただの計算問題や文章問題でなく、わけをかいたりするものがある。子どもたちは今まで、そういうテストを受けたことがなく、問題文を読む気すらなくしている子もいた。なにしろ問題文が長く、よけいにわかりずらい。最悪だ。
 最後の生活アンケート。内容も問題ありだった。しかし、なんと99の設問。それ見ただけで、「死ぬ」と言った子いた。読みながら、説明しながらしたら、みっちり45分かかった。それに、「今日のテストの問題できましたか?」みたいな問もあって、できない子にはダブルパンチだった。
 
☆純粋な子どもたちだからこそ、許せないこと…。
 私の率直な感想は、テストをした子どもたちに『自分は勉強ができないバカだ』と思わせるようなテストは、全くもって問題外だと言うこと。
 基礎学力を見るという観点ではない。学習したことが、どれほど理解されているのかを知りたいのならば、あんな難しい、ひねくれた問題になるはずがない。最初から、できる子を対象にしたテストである。おそらく、「進研ゼミをしているとこの問題はできますよ」っていう宣伝に使っているのではないかと思われる。
 しかし、一番私が腹立たしく思うのは、こんなバカげた学力テストでも、子どもたちは、何一つ文句言わずにとりくみ、そして、テストができないのは自分が勉強をまじめにしてこなかったからだというように思っていることである。子どもは純粋な故に、なにか悪いことがおこると自分が悪かったのだと思ってしまう。学力テストができないが自分のせいだと思ってしまう。
 私は、つくづく思った。このテストを子どもたちにさせるべきではなかった。もっともっと、このテストの問題点を保護者や地域・国民に訴え、中止、もしくは不参加にさせるべきであったと後悔している。これは、教師生命をかけてでも、2回目を実施させてはならない。その覚悟が、私にはなかったように思えて悔しい。
 
☆子どもたちを裏切る学力テスト。
 私は今年、5年の時に学級崩壊(2クラスのうちの1クラスが崩壊した)した6年生を担任している。教師不審であったり、自信をなくしていたり、やる気をなくしていたり、レッテルを貼られてしまったりした子どもたちに、君たちは素晴らしい、可能性をいっぱい秘めている。素晴らしい最上級生だ。とこの3週間訴え、共に過ごしてきた。しかし、この学力テストは、そんなことを全て否定した。「こんな問題できないだろう」「今までさぼったからできなくて当たり前だ」「できない奴は今から頑張ってもできるようにはならない、早くあきらめろ」というようなテストであった。
 子どもたちの、テストができなくて、泣きそうな顔を見るのがつらくてつらくてしかたなかった。
 
☆以下は、当日の『生活ノート』に子どもたちが書いた感想
 
4時間のテスト
 そうじが終わってから、すぐさま学力テストだった。
 私は、きんちょうしすぎて、ため息ばかりついていた。
 黒板には、8:55〜始めると書いていたが、はるかに上回った。
 けっきょく9:10ぐらいから始めた。
 制げん時間は20分。国語Aをやった。8ページほどしかないので、
 5分ぐらい時間があまった。
 次は算数A、
 『うわぁ…。勉強しとけばよかったなぁ…』
 とイヤイヤ問題用紙を見た。
 1ページ、2ページ…、次々に問題をといた。…と、ついに出た、三角形の角度が…。
 『ちゃんと先生の話を聞いとくんだった…』 
 と、心の底から後かいした。
 なんとか算数が終わった。あつめさんがまず問題用紙と解答用紙をあつめた。
 きんちょうがとけたのか、すこし教室がざわめいた。
 すこし休けいがあって、みんなはトイレに行った。私もガマンしていた。
 そして、いよいよ国語Bにとつ入。40分間の長ぁいやつ。
 漢字をまずやった。わからないのが一つあった。
 国語が終わった。大休けいだった。
 「やぁーっとおわったぁー」
 と、ため息まじりで言った。
 大休けいは、あっという間に終わった。算数だ。
 『40分もやってられやんでー…』
 心の中でさけんだ。
 問題用紙をめくると、わからない問題が多かった。
 わからない問題はカンであてはめた。
 算数もやっと終わった。
 勉強じごくからやっとの事でぬけだせた。
 算数では、わからない問題の方が多かったので、自信がなかった。
 またある学力テストは、いい点がとれたらいいです。
 
 
頭が痛い
 登校すると、まず教科書を出してパラパラと見ました。
 するとすぐに休けいが終わり、そうじにかかりました。
 テストたいけいに入り、学力テストがスタート。
 でも、問題を見ると頭がからっぽになったような気がしました。
 算数A、国語A、どちらもわかりやすい問題で、
 1時間目は少しつかれたけどなんとなく終わりました。
 『これならBもいけるかな』と思ってしまいました。
 国語B、文の問題、司会の問題。全部間ちがってもおかしくない問題でした。。
 算数Bのわけを書いたり、もう、からっぽの頭に石が落ちてきたようでした。
 点数を見るのがこわくなってきました。
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