|
2006年12月14日
DCI日本支部代表 福田雅章
|
万感の思いをこめて抗議します
|
本日多くの国民の声を無視して、不当にも教育基本法改悪案が数を頼んだ与党の暴挙によって、参議院特別委員会での採決が強行されました。中央・地方の公聴会の公述人や参考人もその多くが慎重審議を求め、現役の校長先生の66パーセント、また教育学会をはじめ29に及ぶ学会が今国会での改悪に反対し、公述人と参考人の有志が呼びかけた電子署名もあっという間に1万を超える状況の中での強行採決です。私たちはいや多数の国民は、この暴挙を絶対に認めるわけにはいきません。心底からの怒りを持って抗議します。
衆参両院の特別委員会の論議を通じて、タウンミーティングや教育フォーラムのやらせは組織的なものであり、これに深く関わっていた文科省に教育基本法の改定を語る資格のないことは明らかにされました。また、深刻ないじめ問題、未履修問題などは、その根っこにある「競争の教育」が教育現場を覆い、それによって引き起こされたことも明白になりました。子どものさまざまな問題の原因が、あたかも現行の教育基本法にあるかのような論拠は完全に崩壊したのです。それでもなお、現行法を変えなければならない理由は、ついに明らかにはされませんでした。したがって、ここには政治的な企みしかないのです。
DCI日本支部は、前述の問題点に加えて扇参議院議長、伊吹文科相、中曽根参議院特別委員会委員長に要請しましたように、日本政府が94年に批准し、子どもの成長発達(=教育)について人類の英知を凝縮している「子どもの権利条約」について、今回の改悪案との整合性が一度も議論されていないことに深甚の怒りを覚えています。
子どもの権利条約は日本政府自身が12年前に批准し、すでに2回の政府報告書を国連子どもの権利委員会に提出しています。そして、子どもの権利委員会による政府報告書の審査の結果、2回(96年と04年)の「勧告」が日本政府に送付されているのです。
2回の「勧告」で子どもの権利委員会は、「過度に競争的な教育制度によって日本の子どもたちはストレスにさらされ発達のゆがみをきたしている(要約)」また「社会のあらゆるところ、とくに学校制度の中で第12条の意見表明権(子どもが思いや願いを表明できてそれを受け止めてもらえる権利)が行使できないことに重大な懸念を持つ(要約)」「教育の高い質を維持しつつ学校制度の競争主義的な性格を抑制するため、生徒や親などの意見を考慮に入れながらカリキュラムを見直すこと」と指摘していました。これは、子どもたち一人一人が大切にされ、自分らしく成長・発達するためには何が必要なのか、非常に重大な問題提起であり現行教育基本法の理念に重なります。
ところが、今回の改悪教育基本法は根本的には子どもたち一人ひとりを尊重せず、「国の言うことをよく聞いて、その国を愛する心を態度で示せ」、また、「競争の教育」をさらに激化し、教育の中にあってはならない格差を堂々ともちこむものとなっています。これが「勧告」や子どもの権利条約と整合するはずはありません。DCI日本支部は子どもたちが悲鳴をあげて「助けて!」と叫びながら希望を失っていく改悪案を容認できないことを明らかにし、引き続きこの空洞化のために奮闘するものです。
|
| ▲上へ |
|